乳がん治療の副作用対策・口内炎

口内炎がひどくなり、飲み込む時に痛いです。日常でのケア、注意するポイントはありますか?

口内炎ができやすい抗がん剤の治療では、口腔ケアで予防するのが大前提ですが、口内炎ができた場合は悪化させないように、口腔内を ①乾燥させない、②清潔に保つ、ことが大切です。
日常でのケア、注意するポイントについては、抗がん剤の投与サイクルという視点から考えるといいですね。たとえば、おせんべいのような固い食べものは、かみ砕いている時に口の中を傷つけやすいので、口内炎ができやすい時期に固いものは食べない、より口腔ケアに気をくばるなど、ちょっと注意するだけで違います。
うがい薬は市販のアルコールフリーの製品もありますが、ペットボトル500mLの水に塩小さじ1杯(5cc)の生理食塩水を自宅で作っておけば安上がりですし、清潔を保つうえでも保湿にも最適です。ただし、「朝作ったら、夜には捨てる」を基本にしてください。

沢井 紀子 先生
(薬剤師)

口内炎がある場合、避けたほうがよい香辛料などはありますか?

① まずは、お刺身などに直接つけた醤油はしみて痛みが強くなりますね。
ソースや塩も同じです。香辛料・酸味の強いもの・炭酸・熱いものなど刺激になるものは避けましょう。

② 固いものは、患部にあたって痛みがでます。
結果的に、食べられるものが減って口内炎で食欲低下を訴えられる方も多くいらっしゃいます。患者さんは、そーっと食べやすいものを流し込むように食べていらっしゃいます。

③ つい、飲食を避けるようになり水分不足になることがあります。
飲みやすい水分はこまめに摂るようにしましよう。

沢井 紀子 先生
(薬剤師)

口内炎にならないための対策はありますか?

口腔内が乾燥すると、口内炎ができやすくなります。また、好中球数が下がる時期には口内炎もできやすくなります。保湿と保清を兼ねてうがいをしましょう。(※清潔に保つこと)

  • ペットボトル(500mL)に水道水を入れます。そこに小さじ1杯(5cc)の食塩を入れて溶かします。
    これで、体に優しい生理食塩水の出来上がりです。毎日、作り変えましょう。
  • 味覚障害で塩味を強く感じてしまうようであれば、水だけの洗口にしましょう。
  • 乾燥が強いときは口腔ジェルの使用もよいでしょう。
  • 皮膚炎の予防に保湿剤を使用して、湿疹ができにくい状態にすることに似ていますね。

沢井 紀子 先生
(薬剤師)

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