がん治療の副作用対策・味覚障害

食物すべてが苦くて食べられない場合、対応策はありますか?

何も食べなくても口の中が苦いのなら、口をゆすいだり、歯をみがいたりすると、多少苦味が緩和されることがあります。抗がん剤の影響なのであれば、一時的な状態だと思うので、食べたいもの、食べやすいもの、飲み込みやすいものを、少しずつ摂ってはいかがでしょうか。

沢井 紀子 先生
(薬剤師)

このまま一生、味がわからないままなのでしょうか?

抗がん剤の種類にもよりますが、6割近くの方に味覚障害があるといわれています。
「感じにくくなった」、「強く感じる」、「別の味になった」など、治療経過の間に変化する場合もあります。
しかし、多くの患者さんにお話を伺うと、例えば3週間ごとの治療なら「点滴して2週間くらいは味の変化があるけれど、次の点滴までの1週間はずいぶん良くなって食事もとれるようになりました。」とおっしゃる方もいます。そして、治療が終わって1ヶ月もすると、明るい表情で「味が変わって食べられなくなってしまったものも、本来の美味しさが戻ってきましたよ。」と教えてくださいます。
味を感じる器官である「味蕾」は2週間程度で新しくなるのでだんだん回復していきます。
安心して時期を待ちましょう。ただし、違和感が続くようであれば、医師に相談しましょう。

沢井 紀子 先生
(薬剤師)

匂いがわからないと食べ物の味もよくわからなくなります。なるべくおいしく食事を摂るための工夫はありますか?

匂いがわからないというのは、風邪をひいて鼻がつまっている時と同じ状態ですね。抗がん剤でも嗅覚障害の副作用が出ることがあります。
嗅覚に障害があるならば、視覚を利用するのもいいかもしれません。殺風景な食事、食卓ではなく、テーブルクロスやランチョンマットを敷く、できあいの惣菜はパックのままではなく器に移すなど、視覚的に、豊かに感じる工夫をすることをお薦めします。

渡辺 亨 先生
(浜松オンコロジーセンター 院長)

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